中学受験の理科 植物の光合成と呼吸についての問題演習と解説【2】
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2021/07/03
この演習問題は、かならず以下の学習を終えてから取り組んでください。
植物の呼吸と光合成
⇒ 中学受験の理科 植物の呼吸と光合成~これだけの理解で基本は完ペキ
【問題】
植物が1分間に取り入れる(または出す)ある気体の量を、ある日の0時から2時間おきに調べました。その結果を示したのが、下図のグラフです。
(1)
ある気体とは、以下のうちどれですか?
- 水蒸気
- 二酸化炭素
- 酸素
- ちっ素
(2)
この植物が12時に、光合成の材料として使った気体の量を、上図の a と b であらわすとどうなりますか? 以下のア~エから選んで、記号で答えてください。
- ア: a + b
- イ: a - b
- ウ: a + b + b
- エ: a - b - b
(3)
植物の葉にふくまれるデンプンの量が、最も多かったのは、何時でしたか? 以下のア~エから選んで、記号で答えてください。
- ア: 0時
- イ: 6時
- ウ: 12時
- エ: 18時
(4)
同じ実験を暗室で行って、結果をグラフであらわすとどうなりますか? 下図のア~エから選んで、記号で答えてください。
解答と解説
【解答】
(1) 二酸化炭素
(2) ア
(3) エ
(4) エ
【解説】
(1)
ある気体を昼に取り入れていることから、光合成の材料として使われた二酸化炭素と考えられます。ちなみに、夜に取り入れる気体であれば酸素。夜は、動物・植物すべてが呼吸だけをしているからです。
(2)
二酸化炭素の変化から、1日を通じて植物の呼吸と光合成がどのような状態になっていくのか考えてみましょう。
【D点~A点】
夜のあいだは、一定の量で二酸化炭素を出し続けています。これは、植物の呼吸によるもので、図の「b」が示すのは「呼吸によって生じる二酸化炭素の量」です。
【A点~B点】
二酸化炭素を出す量が減っていき、6時から先は取り入れる量が増えていきます。これは、朝がたから昼前にかけて、光合成の量が増えていったからです。
【B点~C点】
昼の前後は、一定の量で二酸化炭素を取り入れ続けています。これは、光合成の量が一定であったことを示すものです。
このあいだに取り入れる二酸化炭素の量は「a」ですが、呼吸で生じる二酸化炭素の量「b」も、光合成の材料として利用されていることに注意してください。つまり、B点からC点のあいだで、光合成の材料として使われた二酸化炭素の量は「a + b」です。
【C点~D点】
二酸化炭素を取り入れる量が減っていき、18時から先は出す量が増えていきます。これは、昼から夜に向けて、光合成の量が減っていったからです。
(3)
二酸化炭素の変化から、1日を通じて植物の葉にふくまれるデンプンの量が、どのような状態になっていくのか考えてみましょう。
二酸化炭素を出しているときは、光合成よりも呼吸の量が多いため、デンプンは減っていくと考えられます。
逆に、二酸化炭素を取り入れているときは、呼吸よりも光合成の量が多く、デンプンは増えていく状態です。
【D点~0時~A点】
光がないため光合成もなく、呼吸により一定の量で二酸化炭素を出し続けます。つまり、葉にふくまれるデンプンが減り続ける時間帯です。
【A点~6時~B点】
A点~6時は「光合成 < 呼吸」の状態でデンプンは減り、6時~B点は「光合成 > 呼吸」となりデンプンが増えていきます。
【B点~12時~C点】
B点~12時~C点は、「光合成(量は一定) > 呼吸(量は一定)」の状態です。葉にふくまれるデンプンは、一定の量で増え続けます。
【C点~18時~D点】
C点~18時は「光合成 > 呼吸」でデンプンも増えますが、18時~D点は「光合成 < 呼吸」となりデンプンが減っていきます。
(4)
光のない暗室では、【D点~0時~A点】の状態が24時間続くことになり、光合成のない呼吸だけの状態です。
「植物の呼吸と光合成」にもどりましょう。
⇒ 中学受験の理科 植物の呼吸と光合成~これだけの理解で基本は完ペキ
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