中学受験の理科 植物の光合成と呼吸についての問題演習と解説【1】

                          

2021/07/03

この演習問題は、かならず以下の学習を終えてから取り組んでください。

植物の呼吸と光合成
中学受験の理科 植物の呼吸と光合成~これだけの理解で基本は完ペキ

 

 

【問題】

水そうの中の水には、あらかじめストローで息を十分にふきこんであります。暗い部屋の中で、水そうに水草を入れて電球で光を当てると、下図のようにアワが出てきました。

 

 

同じ場所で、電球の数を0個から1個づつ増やしていくと、出てくるアワの数も増えていきました。そこで、「電球の数(個)」と「10秒あたりに出たアワの数(個)」の変化を記録したのが、下図です。

なお、それぞれの電球の明るさは、すべて同じと考えてください。

 

 

(1)
水そうの中の水に、ストローで息をふきこんでおいた理由は何ですか?

(2)
水草から出てきたアワは、何ですか?

(3)
電球の数が2個以下のときは、どんなに待ってもアワは出ませんでした。その理由として正しいものを、次のア~エから1つ選んで、記号で答えてください。

 ア:光合成が始まるのに、もっと時間がかかるから。

 イ:光が弱く、水草が光を感じなかったから。

 ウ:水草の呼吸に使われたから。

 エ:発生するアワが少なく、すべて水にとけたから。

(4)
電球の数が1個・2個・3個のとき、それぞれ水草の中にあるデンプンの量は、どのように変化している状態ですか? 次のア~エから1つ選んで、記号で答えてください。

 ア:増える

 イ:変わらない

 ウ:減る

 

解答と解説

【解答】

(1) 水にとけている二酸化炭素の量を増やすため。

(2) 酸素

(3) ウ

(4) 1個:ウ 2個:イ 3個:ア

 

【解説】

(1)
光合成に必要なものは、以下の4つでした。

  • 二酸化炭素 → 光合成の材料
  • 水 → 光合成の材料
  • 葉緑体 → 光合成の工場
  • 光 → 工場を動かすエネルギー

 

この実験は、水(材料)と葉緑体(工場)の量が変わらない状態で、「光(エネルギー)と光合成量」の関係を確認しようとしています。このとき、光合成の材料である「水中の二酸化炭素」が少ないと、実験の結果に影響を与えてしまうかもしれません。

そのため、ストローで息をふきこむことによって、あらかじめ水中の二酸化炭素を増やしておいたのです。

 

なお、水にとけにくい酸素や水素などに比べると、二酸化炭素は「水に少しとける気体」といえるでしょう。参考として、20℃・1リットルの水にとける1気圧の気体の体積は、以下のとおりです。

  • 二酸化炭素:0.88リットル
  • 酸素:0.031リットル
  • 水素:0.018リットル
  • 窒素:0.016リットル
  • アンモニア:702リットル
  • 塩化水素:442リットル

 

水中生物が生きるための「水にとけた酸素」はわずかですが、植物の光合成に必要な「水中の二酸化炭素」はかなり多くなっています。

すべての動物が生きるための酸素は光合成でつくられることを考えると、「光合成を優先した良い仕組み」といえそうです。

 

(2)
出てきたアワは、光合成でつくられた酸素です。光合成の量は光が強いほど多いので、電球の数が増えるほど出てくるアワの数も多くなります。

 

(3)
光の強さ(電球の多さ)に関係なく、水草は生きているので、呼吸のため常に一定量の酸素を消費しています。光が弱くても光合成を行ないますが、「呼吸 > 光合成」のときは光合成で生じた酸素もすべて呼吸に使われ、アワは出てきません。

電球0個・電球1個・電球2個で、いずれも水中にアワは出てきませんが、それぞれ状態は異なるので注意してください。

 

【電球0個のとき(下図のA点)】
光がゼロのため光合成はまったく行われず、水草はすべての酸素を水中から得ている状態です。

【電球1個のとき(下図のB点)】
わずかに光合成を行いますが、光合成で生じた酸素はすべて呼吸に使われ、足りない酸素は水中から得ます。

【電球2個のとき(下図のC点)】
「光合成で生じる酸素」と「呼吸に必要な酸素」の量がちょうど同じとなり、水中にアワは出てきません。

 

 

電球3個のときは4個のアワ、電球4個のときは8個のアワが出ています。光合成によってつくられる酸素の量が、呼吸に必要な酸素の量を上まわるので、余った分だけ水中にだしている状態です。

光が強いと光合成量も多くなり、出てくるアワの数は増えていきます。ただし、電球が6個以上になっても光合成量は変わらず、出てくるアワの数は増えません。

 

(4)
電球1個(上図のB点)は「光合成 < 呼吸 」の状態で、足りない酸素は水中から、足りないデンプンは水草の中から消費します。そのため、水草の中のデンプン量は、「ウ(減る)」です。

電球2個(上図のC点)は「光合成 = 呼吸 」の状態なので、水草の中のデンプン量は、「イ(変わらない)」です。

電球3個以上だと「光合成 > 呼吸 」となり、酸素・デンプンともにあまる状態となります。よって、水草の中のデンプン量は、「ア(増える)」です。

 

 

次の演習は、植物の呼吸と光合成【2】です。
中学受験の理科 植物の光合成と呼吸についての問題演習と解説【2】

 

 

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