中学受験の理科 電流と電気回路~豆電球の直列と並列の組み合わせ
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2023/05/07
今回のテーマは基本問題ですが、学習の順番としてまず、「電流と電気回路~この順番で考えれば基本はカンペキ!」を完全に理解してからにしてください。
中途半端な状態で取り組むと、時間をムダに使うだけとなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
電流と電気回路の基本は、こちらからどうぞ。
⇒ 中学受験の理科 電流と電気回路~この順番で学ぶと基本は完ペキ!
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電流と電気回路~基本の復習
まず、基本の簡単な復習から始めます。上図では、2つの異なる電気回路(電流の通り道)が同時に存在していることは、分かると思います。
黄色と赤色はお互いに関係しませんから、黄色がわの電球が切れても赤色がわの電流は変わりませんし、逆に赤色がわの電球が切れても黄色がわの電流は変わりません。
全体の電流は「黄色+赤色」なので、かん電池に流れる電流も「黄色+赤色」です。
少し見方を変えてながめて見ると、電気回路(電流の通り道)全体としては「黄色+赤色」で流れてきた電流が一度「黄色」と「赤色」に分かれて、ふたたび「黄色+赤色」に合わさると考えることもできます。
では、「黄色」と「赤色」の電流の大きさは、どのような関係になっているでしょうか。
答えは、「黄色:赤色」=「2:1」です。
電流は、並列の電気回路に出会うと分かれますが、分かれた先に流れていく電流の大きさは「行き先の抵抗の大きさに反比例する」ということです。
抵抗が大きいほうに流れる電流は少なく、抵抗が小さいほうには多くの電流が流れます。
ここまでをスムーズに理解できたら、次に進んでください。
電流と電気回路~部分ショート
次は、電流が出会った並列の電気回路で、片方の道は抵抗がゼロだった場合を考えてみます。
片方には全く抵抗がなく、片方だけに抵抗があると、電流はどのような分かれかたをするのでしょうか。
これまでと同じように考えると、「黄色と赤色」の2つが同時に存在している、下図のような電気回路(電流の通り道)を思い浮かべてしまいます。
ところが、全く違うのです。電流が複数の道(行き先)に出会ったとき、1つでも抵抗ゼロの道があれば、電流はすべて抵抗ゼロの道に流れていきます。
抵抗の少ない道であれば、少しくらいは電流が流れてもいいだろうと思うかもしれませんが、抵抗のある道にはいっさい電流が流れることはありません。
結論からいうと、この場合の正しい考え方は、下図のようになります。豆電球Bに流れる電流はゼロですから、ないのと同じなのです。
要するに、この電気回路は、「電池が1つで豆電球も1つ(豆電球A)」の電気回路だということです。
このような導線のつなぎ方を、「部分ショート」といいます。
この考え方は、基本問題ではあまりむずかしくないと思いますが、やや複雑な電気回路になると大変になります。
複雑な電気回路を指でなぞっていく時に、抵抗ゼロの道があれば他の道の「目くらまし」にあうことなく、かん電池の「マイナス方向」へと一直線に指を進める必要があるからです。
複雑な問題を、本番で解く必要はありませんが、ねんのため知識として知っておいてください。
電流と電気回路~豆電球の直列と並列の組み合わせ
最後に、豆電球の直列と並列が組み合わさった場合を考えます。どちらかといえば、「部分ショート」よりも分かりやすいでしょう。
下図のように、豆電球の直列と並列が組み合わさっています。このとき、豆電球A・B・C・Dに流れる電流の大きさは、どのような比になるでしょうか。
まず、豆電球Aを通った電流は、「豆電球Bの道」と「豆電球C・Dの道」に分かれていきます。この時、どちらにも抵抗ゼロの道はありませんから、ある割合でどちらにも電流は流れます。
抵抗の大きさの比は、「豆電球Bの道」:「豆電球C・D」=1:2ですから、それぞれに流れる電流の大きさは「2:1」となるはずです。
「豆電球A」に流れる電流の大きさ=「豆電球Bの道に流れる電流」+「豆電球C・Dの道に曲がれる電流」 ですから、
電流の大きさは、「豆電球A」:「豆電球B」:「豆電球C」:「豆電球D」=3:2:1:1 となります。
仕上げとして、問題演習に取りくんでみましょう。
【問題演習:スイッチのある電気回路3】
⇒ 中学受験の理科 電流と電気回路~スイッチ回路の問題演習と解説【3】
【問題演習:スイッチのある電気回路4】
⇒ 中学受験の理科 電流と電気回路~スイッチ回路の問題演習と解説【4】
【問題演習:スイッチのある電気回路5】
⇒ 中学受験の理科 電流と電気回路~スイッチ回路の問題演習と解説【5】
次のテーマは、「合成抵抗(中級編)」です。以下の記事を、ご覧ください。
⇒ 中学受験の理科 電流と電気回路~合成抵抗(中級編)の考え方
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