中学受験の理科 電流と磁力線~これだけ習得すれば基本は完ペキ!

 

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2023/06/20

 

「電流と電気回路」のテーマで「豆電球」「かん電池」「電池の力」「電流」の関係をしっかりと身につけてから、今回のテーマに取り組んでください。
⇒ 中学受験の理科 電流と電気回路~この順番で学ぶと基本は完ペキ!

 

方位磁針のN極は、磁力線が進む方向に向きます。地球は、大きな磁石(北極がS極で南極がN極)のような性質を、もっているのです。

人の目に見えない磁力線は、N極(南極)からS極(北極)に向かって進むので、地球のどこにいても、方位磁針のN極は北(S極)をさします。

 

わたり鳥は北から南へ、南から北へ、「めじるし」もない海の上を飛び続けて、目的地にたどりつくことができます。

昼は太陽、夜は星を、「めじるし」にしているといわれてきました。でも、「くもり」や「雨」の日は、太陽も星も見えません。

最近の研究では、どうやら磁力線を、脳で感じることができるようなのです。

 

 

本番までに与えられた時間の量は同じなのに、なぜ生徒によって結果が違うのか。それは、時間の使いかたが異なるからです。どうせなら近道で確実に効率よく合格に向かって進んでいきましょう! くわしくは、以下からどうぞ。
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電流と磁力線

 

電流が流れると、磁石のまわりと同じ磁力線が発生します。その向きは、「右ねじ」の方向。私たちのまわりにある「ねじ」は、ほとんどが「右ねじ」です。

水道の「じゃぐち」を見てください。上から見て右(時計回り)にまわすと、下に進んで水は止まります。左(反時計回り)にまわすと、手前にもどって水は止まります。進む時に、右(時計回り)にまわるのが右ねじです。

 

 

図1を見てください。「電流が進む方向」と「磁力線の方向」との関係は、「右ねじ」と同じです。これを右手にあてはめます。

右手親指のさす方向が電流の向きだとすれば、右手4本指のさす方向が磁力線の向きです。電流が大きいほど、磁力線も強くなります。

 

左の図を上から見た様子が、右図です。真ん中が導線で、向こうから手前に向かって電流が流れてきます。磁力線は、反時計まわりの向きです。

その時、図のA・B・C・D点における磁力線は、矢印の方向に向かって進んでいます。これらの矢印の向きは、方位磁針がA・B・C・D点にある時のN極が向く方向を意味するので、とても大事な図だと考えてください。

 

方位磁針のN極が向く方向は、「地球の磁力線」と「電流による磁力線」との組み合わせで決まります。電流が流れていなければ、N極は当然「北」を向きます。

電流が流れると、北よりも図の矢印方向に傾くわけです。電流が非常に大きくて、もともとある地球の磁力線よりもはるかに強い磁力線が発生していれば、方位磁針のN極は完全に図の矢印方向をさします。

 

図1の関係が理解できれば、磁力線の問題はほとんど解けるでしょう。

頭で理解するのではなく、実際に自分の右手を使って、徹底的に身につけてください。これから先は、すべて図1を理解している事を前提にして進めていきます。

 

電流と磁力線と方位磁針:その1

 

何もなければ、方位磁針のN極は、北を向いています(上図の左)。

 

右上図は方位磁針の手前に導線があり、電流は上向きです。

方位磁針の位置は先ほどの図1のA点にあたりますから、電流による磁力線は西方向に向かっており、N極も少し西方向に傾きます。

 

右下図は方位磁針の向こう側に導線があり、電流は上向きです。

方位磁針の位置は先ほどの図1のC点にあたりますから、電流による磁力線は東方向に向かっており、N極も少し東方向に傾きます。

 

「なるほどー」と思うだけでなく、必ず自分の右手で確認しながら進めてください。

試験本番で点を取るためには、修得するまで練習をする以外に方法はありません。

 

本番までの限られた時間を、もっと効率よく使いましょう! 以下の記事を、ご覧ください。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

電流と磁力線と方位磁針:その2

 

 

上図の左では、導線が方位磁針の手前です。方位磁針が先ほどの図1のA点にあたると考えれば、電流による磁力線の向きは北方向になります。

地球の磁力線の向きと同じですから、N極は北を向いたままです。地球の磁力線(北向き)が、電流によって少し強まった感じと理解してください。

 

電流の向きが逆であれば、電流による磁力線の向きは南方向になります。地球の磁力線が少し弱まった感じになり、やはり北を向いたままです。

 

電流と磁力線と方位磁針:その3

 

上図のまん中では、左の導線も右の導線も、方位磁針の手前にあります。

左の導線に流れる電流の磁力線は西方向で、右の導線に流れる電流の磁力線は東方向ですから、お互いに打ち消しあって、けっきょくN極は北を向きます。

 

電流と磁力線と方位磁針:その4

 

上図の右だと、左の導線は方位磁針の手前にあり、右の導線は方位磁針の向こう側にあります。

左の導線に流れる電流の磁力線は西方向で、右の導線に流れる電流の磁力線も西方向ですから、お互いに強めあって、けっきょくN極は西方向に大きく傾きます。

 

電流と磁力線と方位磁針:その5

 

上図の方位磁針は、すべて導線の向こう側にあります。

1 N極の傾く向きが、Aと同じものはどれでしょうか。

2 ふれはばが、Aと同じものはどれでしょうか。

3 ふれはばが、最も小さいのはどれでしょうか。

 

電気回路の基本を固めておく必要がある問題です。

電流の大きさは、Aが2、Bが1、Cが0.5、Dが1、Eは1が2本で強め合います。

 

1の答え:C、D

2の答え:E

3の答え:C

 

電流と磁力線と方位磁針:まとめ

電流、磁力線、方位磁針について、おもな点を整理すると次のようになります。

  1. 「電流の方向」と「磁力線の方向」との関係は、右ねじと同じです。
  2. 方位磁針のN極の向きは、2つの磁力線(地球・電流)の組み合わせで決まります。
  3. 2つの組み合わせの結果、北向きのままの場合と、東西に傾く場合があります。
  4. 東西に傾く時、複数の電流で磁力線を強めあう場合と、弱めあう場合があります。
  5. 磁力線を強めあう場合は傾きが大きくなり、弱めあう場合は傾きが小さくなります。

 

 

仕上げとして、問題演習に取りくんでみましょう。

【問題演習:電流による磁力線の問題演習と解説1】
中学受験の理科 電流と磁力線~方位磁針がふれる向きの問題演習【1】

【問題演習:電流による磁力線の問題演習と解説2】
中学受験の理科 電流と磁力線~方位磁針がふれる向きの問題演習【2】

 

 

次のテーマは、「電流と電磁石」です。以下の記事を、ご覧ください。
中学受験の理科 電流と電磁石~これだけの習得で基本は完ペキ!

 

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