中学受験の理科 植物の光合成実験についての問題演習と解説

                          

2021/07/02

この演習問題は、かならず以下の学習を終えてから取り組んでください。

光合成実験の手順
中学受験の理科 植物の光合成実験の手順

 

 

【問題】

アサガオのふ(葉緑体のない白い部分)入りの葉を用いて、次のような手順で光合成の実験をしました。

 

[実験]

  1. アサガオを暗室に1日おいて、次の日の朝、葉の一部にアルミはくをつけてクリップでとめ、日当たりの良い外に出す。
  2. 昼すぎごろ、十分に日光に当てた葉を取ってくる。
  3. アルミはくを取りのぞいた葉を、熱湯につける。
  4. あたためたアルコールに葉をいれたあと、水洗いする。
  5. 葉をヨウ素液にひたす。

 

下の左図は葉にアルミはくをつけた状態で、右図はアルミはくを取った葉の状態です。右図の点線は、アルミはくがあった部分を示しています。

下の右図で示したように、異なる4つの部分にア~エという記号をつけました。

 

 

(1)
ヨウ素液につけたあと、ア~エの部分はそれぞれ何色になりますか?

(2)
この実験の結果、植物が光合成をするために必要なものが2つ分かります。それは何ですか?

また、そのことはア~エのうち、どの部分とどの部分の結果を比べると分かりますか? 2つのそれぞれについて、答えてください。

(3)
植物が光合成をするためには、あと2つ必要なものがあります。それは何ですか?

 

解答と解説

【解答】

(1)
ア:青むらさき色 イ:黄かっ色 ウ:黄かっ色 エ:黄かっ色

(2)
必要なもの:光   比べる部分:アとイ

必要なもの:葉緑体  比べる部分:アとエ

(3)
二酸化炭素・水

 

【解説】

まず、問題に示された実験の手順には、以下のような意味があることを思い出しましょう。

【暗室に1日おく】
もともと葉の中にあったデンプンをなくすため。

【熱湯につける】
葉をやわらかくするとともに、葉の活動を止めてデンプンが分解されるのを防ぐため。

【あたためたアルコールに入れる】
アルコールで葉の色をぬいて、ヨウ素液の反応を見やすくするため。

【水洗いする】
葉をやわらかくして、ヨウ素液が葉にしみこみやすくするため。

 

次は、光合成のしくみです。光合成に必要なものは4つありますが、3つの異なる役割からなることを、確認しておきましょう。

  • 二酸化炭素と水 → 光合成の材料
  • 葉緑体 → 光合成をおこなう工場
  • 光 → 工場を動かすエネルギー

 

 

今回の実験における条件は、2つの視点を組みあわせていることになります。

【ふ入りの葉】
葉に、葉緑体のある部分と、ない部分がある。

【アルミはく】
葉に、光の当たる部分と、当たらない部分がある。

 

具体的には、条件が異なる4つの部分をつくり出しているわけです。

  • ア:葉緑体があり、光も当たる。
  • イ:葉緑体はあるが、光は当たらない。
  • ウ:葉緑体はなく、光も当たらない。
  • エ:葉緑体はないが、光は当たる。

 

 

光合成に必要な4条件のうち、「葉緑体」と「光」だけを確認しているのであって、「二酸化炭素」と「水」の実験をしていないことに注意してください。

別のいいかたをすると、「光合成をおこなう工場と、工場を動かすエネルギー」の確認であり、「光合成の材料」については調べていないということです。

 

(1)
ア~エのうち、葉緑体・光ともにそろっているのは「ア」だけであり、光合成によりデンプンができるのは「ア」のみです。「イ・ウ・エ」の部分に、デンプンはできません。

よって、ヨウ素液によって「ア」のみ「青むらさき色」に変化し、「イ・ウ・エ」でヨウ素液の色は変化しません。

 

(2)
解説書によっては、実験結果を表に整理して比べる方法を説明しているものも見かけますが、当サイトではその方法をオススメしません(理由は後ほど解説)。

下の左図で、葉緑体と光については「〇:あり ×:なし」を、光合成は「〇:光合成する ×:光合成しない」を意味します。

  • ア:葉緑体 〇 光 〇 光合成 〇
  • イ:葉緑体 〇 光 × 光合成 ×
  • ウ:葉緑体 × 光 × 光合成 ×
  • エ:葉緑体 × 光 〇 光合成 ×

 

 

上の左図で示した表を、試験の本番で書くと、時間がかかってしまいます。ごていねいに、縦と横の線まで書く人もいるからです。本番で、こんな表を書いていたら、時間はいくらあっても足りません。

 

時間をかけない1つの方法として、問題で与えられた図に、以下のような文字を記入していきます(上の右図)。

  • 葉緑体がある → 「ヨ」
  • 光がある → 「ヒ」
  • 光合成する → 「〇」
  • 光合成しない → 「×」

 

アは「葉緑体あり」「光あり」「光合成する」で、「ヨ ヒ 〇」です。

イは「葉緑体あり」「光なし」「光合成しない」となり、「ヨ ×」。

ウは「葉緑体なし」「光なし」「光合成しない」なので、「×」。

エは「葉緑体なし」「光あり」「光合成しない」で、「ヒ ×」。

 

光合成に必要な条件を確認するため、「光合成する(〇)」と「光合成しない(×)」を比べるはずですから、比較するのは「ア」と「イまたはウまたはエ」です。

 

「ア(ヨ ヒ)」-「イ(ヨ)」=「ヒ」から、アとイを比べることで光合成に光が必要であると分かります。

ウは葉緑体・光ともにないため、2つともあるアと比べても条件を確認できません。

「ア(ヨ ヒ)」-「エ(ヒ)」=「ヨ」より、アとエを比べることで光合成に葉緑体が必要であると分かります。

 

(4)
この実験で、光合成の材料である「二酸化炭素と水」についての確認は、行っていません。

 

 

光合成実験の手順に、もどりましょう。
中学受験の理科 植物の光合成実験の手順

 

 

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