中学受験の理科 植物分類いろいろ~ウリ科・イネ科・裸子植物お得です

                          

2021/03/24

 

植物について、中学受験で効率よく点を取るための方法は、「植物の覚えかた(⇒ 中学受験の理科 植物の覚え方~脳のしくみを利用して効率よく!)」で説明しました。

この記事では補習授業として、さまざまな植物分類の具体例をあげながら、「基本パターン」と「例外パターン」の考えかたを解説していきます。同じ植物でも視点を変えると、「基本パターン」「例外パターン」どちらにもなり得ることを理解してください。

 

植物分類には、「被子植物・裸子植物」「双子葉植物・単子葉植物」「離弁花・合弁花」だけでなく、さまざまな分類方法が他にもあります。今回は、「花のつくり」という視点から分類を考えてみましょう。

植物分類の理解を深めることが目的ですから、すべてを覚えようとはしないでくださいね。

 

 

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花の4要素と役割

 

生物の目的は子孫が栄えることであり、その役割の中心となるのが「花」。なぜならば、子孫となる種子を作るのは「花」だからです。

「花」とは、「花びら」だけでなく4つの要素からなり、それぞれが役割を果たすことによって種子は生まれます。4つの要素とは、「花」の外側から順に、

 

【がく】
つぼみの時に、花を包みこんで中を守る。また、花がさいた後は、花びらをささえる。

【花びら】
虫や鳥をまねく目じるし(色・形・におい)。また、中のおしべ・めしべを守る。

【おしべ】
花粉をつくり、たくわえる。

【めしべ】
花粉がつくと、根もとの「子房」は実になり、中の「はいしゅ」が種子になる。

 

上図に、アブラナの花を示しました。植物で最初に習うものですが、植物分類という視点から考えると、ある意味でアブラナは例外ともいえるのです。

具体的に見ていきましょう。

 

花のつくりによる植物分類

 

「花のつくり」という視点から、さらに次の分類で植物を考えてみます。

 

【がく・花びらの数】
双子葉植物の場合、「5枚」が基本パターンで、それ以外は例外パターン。

【両性花・単性花】
1つの花に「おしべ」と「めしべ」がそろっていたら「両性花」、「おしべ」と「めしべ」が別の花であれば「単性花」。「両性花」が基本パターンで、「単性花」は例外パターン。

【完全花・不完全花】
1つの花に「花の4要素」すべてがそろっていたら「完全花」、要素が1つでもなければ「不完全花」。「完全花」が基本パターンで、「不完全花」は例外パターン。

【離弁花・合弁花】
花びらが根もとまで1枚づつ離れていたら「離弁花」、1部分でもつながっていれば「合弁花」。この分類方法に、基本・例外というパターン分けはありません。

 

アブラナ(アブラナ科)

 

たとえば、双子葉植物における「がく・花びらの数」で分類すると、アブラナは例外の植物となります。なぜならば、多くの双子葉植物は「がくと花びらの数」が5枚であるのに対して、アブラナは4枚離弁花)だからです。

がくと花びらの枚数を覚える必要はありませんが、もし枚数を問われたら、双子葉植物の場合は「5枚」と答えるほうが、正解する可能性は高いと考えてください。

 

 

アブラナは「両性花」かつ「完全花」なので、この視点で分類すれば基本パターンとなります。

なお、おしべを細かく見れば6本あり、双子葉植物の基本パターンである「おしべ5本」に対して例外といえます。

全体的に、双子葉植物のなかで細かく分類すると、どちらかといえばアブラナは例外に近い植物のようですね。

 

サクラ(バラ科)

 

「がく・花びらの数」はともに5枚離弁花)なので、双子葉植物のなかでは基本パターンです。また、両性花かつ完全花ですから、植物の基本パターンといえます。

あえて細かく見れば、おしべが多数あります。双子葉植物の基本パターンである「おしべ5本」に対して例外ではありますが、あまり気にする必要はありません。

 

ヘチマ(ウリ科)

 

「がく・花びらの数」はともに5枚なので、双子葉植物のなかでは基本パターン。見た目は「離弁花」のようですが、花びらが根もとでつながっている「合弁花」です。ただし、「合弁花だから例外」というわけではありません。

また、「めばな」には「おしべ」がなく、「おばな」には「めしべ」がありませんから、「単性花」。4要素がすべてそろっていないので、「不完全花」です。

 

植物分類として出題されるもののうち、「単性花」はウリ科と裸子植物ですから、点を取るうえで「ウリ科」は必ず覚えるべき例外といえるでしょう。

ちなみに、被子植物のホウレンソウも単性花ですが、覚える必要はありません。

 

さらに細かく見ると、「めばな」の子房は「がく」よりも下にありますね。

基本パターンは「がくの上に子房」なので、その視点でもウリ科は例外です。このことは、最後に改めて解説します。

 

アサガオ(ヒルガオ科)

 

「がく・花びらの数」はともに5枚なので、双子葉植物のなかでは基本パターン。ラッパのような花びらは、根もとまで完全につながっている「合弁花」です。

だいぶ「花びら」の形は変わりましたが、両性花かつ完全花ですから、植物の基本パターンといえるでしょう。

 

タンポポ(キク科)

 

双子葉植物の最後は、タンポポ。見た目が花びらに見えるものを、つまんで取ってみると、それ自体が1つの花になっています。「花びらの数」は5枚で、根もとまで完全につながっている「合弁花」です。

両性花かつ完全花ですから、植物の基本パターンといえるでしょう。

 

花の4要素をそなえ、やがて子房は実になり、種子ができます。

がく(かん毛)はパラシュートのような役割をして、風に乗りながら種子がフワフワと旅をするわけですね。

 

さらに細かく見ると、ウリ科とおなじように子房は「がく」よりも下にあり、その視点だけで考えれば、キク科は例外といえます。

子房と「がく」の位置については、最後の解説も参考にしてください。

 

チューリップ(ユリ科)

 

単子葉植物には、「離弁花」「合弁花」といった区分はありません。チューリップの花びらは6枚のように見えますが、花びらは内側の3枚で、外側の3枚は「がく」です。

両性花かつ完全花ですから、基本パターンの植物といえるでしょう。

 

イネ(イネ科)

 

「がく・花びら」はなく、「おしべ・めしべ」を「外えい・内えい」が包みます。「おしべ・めしべ」があるから両性化、花の4要素のうち2つがないので不完全花となります。

「両性花の不完全花」というのはイネ科だけ、しかも植物分類として出題されるもののうち、「風ばい花」はイネ科と裸子植物です。点を取るために、「イネ科」は必ず覚えるべき例外といえるでしょう。

 

風ばい花は虫や鳥を引きよせないので、「花びら」を持ちません。風ばい花については、最後の解説も参考にしてください。

 

マツ(裸子植物)

 

「めばな」には「おしべ」がなく、「おばな」には「めしべ」がありません。もちろん、単性花です。また、花の4要素のうち2つがないので不完全花となります。

「めばな」はマツボックリになり、「まつかさ」の1まいごとに種子が1組つきます。

 

植物分類として出題されるもののうち、「単性花」かつ「風ばい花」は裸子植物だけですから、裸子植物は点を取るために最も効率の良い例外といえるでしょう。

 

植物分類いろいろ

これまで、植物分類における「基本パターン」と「例外パターン」について述べてきました。例外とは、植物全体のなかで、少ないパターンであることを意味します。

そのため、少ない例外の植物さえ覚えておけば、それ以外はすべて「基本パターン」ということになるので、覚える効率は良くなりますね。つまり、「例外のウリ科・イネ科・裸子植物を覚えると、お得ですよ!」と言いたいわけです。

 

ただし、「基本」「例外」というのは視点によって変わり、固定されたものではないことに注意してください。

たとえば、キク科は両性花・完全花であり「基本パターン」といえますが、子房は「がく」の下に位置するので、その視点だけに着目すれば例外となるわけです。

 

最後に、他の分類方法を示しておきますが、すべてを覚える必要はありません。

いろいろな視点の分類があるのだ、と理解してください。

 

虫ばい花・風ばい花・鳥ばい花・水ばい花

もちろん、植物の多くは「虫ばい花」で、虫につきやすいよう花粉の表面がネバネバしていたり、トゲや毛がついている花粉も見られます。

「風ばい花」の花粉は量が多く、飛びやすいように(小さい、軽い、サラサラ、ツルツル、空気ぶくろ付き、など)くふうしています。

 

具体的な植物の例をあげますが、あくまでも覚えるのは、風ばい花の「イネ科」と「裸子植物」で十分ですよ。

 

【虫ばい花】
アブラナ、ヘチマ、アサガオ、チューリップ、など

【風ばい花:イネ科】
イネムギトウモロコシススキエノコログサ

【風ばい花:裸子植物】
マツスギヒノキイチョウ

【鳥ばい花】
ツバキ、サザンカ、ビワ、など

【水ばい花】
クロモ、キンギョモ、などの水草

 

自家受粉・他家受粉

自家受粉・他家受粉の違いについては、以下の記事を参考にしてください。
中学受験の理科 植物の自家受粉と他家受粉

 

ほとんどの植物は他家受粉で、自家受粉の例としては「アサガオ、ナズナ、ツユクサ、オシロイバナ」などですが、とくに覚える必要はありません。

 

子房上位・子房下位

「がく」より子房が上にあるものを「子房上位」と呼び、これが基本パターンです。それに対して、「がく」より子房が下にあるものは、「子房下位」で例外となります。

子房下位の具体例は、ウリ科ウリヘチマキュウリカボチャスイカ、など)とキク科キクタンポポコスモスダリアヒマワリヒメジョオンハルジオン、など)です。

 

ウリ科は単性花で、例外として必ず覚えるべき植物です。また、キク科で示した植物も、代表例として覚えてください。

 

真果・偽果

基本パターンは、めしべの子房が実(果実)になります。このパターンでできた実を「真果(しんか)」と呼び、私たちが食べる実の多くは真果です。

それに対して「偽果(ぎか)」は、子房ではなく、「花たく(かたく:花のねもとの部分)」がふくらんだ実を食べます。具体例は、リンゴ・ナシ・イチゴ・ビワなどです。

 

雌雄同株・雌雄異株

単性花の植物で、「めばな」と「おばな」が同じ根の草木に咲くものを「雌雄同株(しゆうどうしゅ)」、異なる根の草木に咲くものを「雌雄異株(しゆういしゅ)」と呼びます。具体例は、

【雌雄同株】
マツ、クリ、カボチャ、キュウリ、など

【雌雄異株】
イチョウ、クワ、ヤナギ、ホウレンソウ、など

 

植物について、中学受験の本番で効率よく点を取るための方法は、以下の記事をごらんください。
中学受験の理科 植物の覚え方~脳のしくみを利用して効率よく!

 

 

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