中学受験の理科 気象(5)~湿度・飽和水蒸気量・露点とフェーン現象

 

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2022/12/08

 

このテーマは中級編のため、必ず「気象(1)~気象(4)」の学習を完了してから進めるようにしてください。「気象(1)」は、以下からどうぞ。
中学受験の理科 気象(1)

 

式を覚える必要はありませんが、「飽和水蒸気量」「湿度」「露点」とは何なのか、イメージをつかむことが重要です。

 

【飽和水蒸気量】
空気1m3 にふくむことのできる水蒸気の量(g)。気温が高いほど、多くの水蒸気をふくむことができます。夏に湿気が多く、じめじめとするのは、気温が高くて多くの水蒸気をふくんでいるからです。

逆に冬は気温が低く、水蒸気を少ししかふくまないため、かわいた冷たい風がふくわけですね。

 

【湿度】
気温によって、ふくまれる水蒸気の量は変化しますが、「その気温における飽和水蒸気量」に対する、「実際にふくまれる水蒸気の量」の割合(%)を湿度といいます。

もちろん、実際にふくまれる水蒸気が少ないほど湿度は低く、飽和水蒸気量の限界ギリギリまで水蒸気をふくんだ状態は「湿度100%」です。

 

【露点】
「空気中の水蒸気量」が「飽和水蒸気量」と等しいとき(つまり、湿度100%の状態)の温度が、露点です。

その状態から気温が露点よりも低くなると、空気中にふくむことのできる水蒸気の量は少なくなるため、ふくむことができなくなった「気体の水蒸気」は、「液体の水」または「固体の氷」へと変化します。

 

 

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気温と飽和水蒸気量・湿度・露点の関係

 

気温と飽和水蒸気量との関係は大気の状態によって変わりますが、たとえば上図のような場合を考えてみましょう。グラフに示したとおり、気温が高いほど飽和水蒸気量も多い、つまり多くの水蒸気をふくむことができるわけです。

いま、空気 1m3 中に水蒸気が13.6g ふくまれているとします。

 

気温が30℃ であれば、表から飽和水蒸気量は30.4g ですから、さらに16.8g(30.4g-13.6g)ふくむことができる状態といえます。

このとき、湿度は約45%(13.6÷30.4×100=44.7)です。

 

気温が22℃であれば、表から飽和水蒸気量は19.4g ですから、さらに5.8g(19.4g-13.6g)ふくむことができる状態、さきほどより少ないですね。別の言いかたをすれば、気温30℃ のときよりも飽和状態に近いといえます。

湿度は約70%(13.6÷19.4×100=70.1)です。

 

表から、気温が16℃ のとき飽和水蒸気量は13.6g ですから、露点は16℃ 。つまり、気温が16℃ よりも低くなると、もはや13.6g の水蒸気すべてをふくむことができない状態の大気となります。

たとえば、気温が10℃ の場合は、飽和水蒸気量が9.4g ですから、余分な4.2g(13.6g-9.4g)は水蒸気として空気中に存在することはできません。その結果、水蒸気は水または氷に変化することとなります。

 

空気中に存在できない気体の水蒸気が、液体の水に変化する場合の具体例は、霧(きり)や露(つゆ)。また、大気の気温が非常に低いため、水ではなく固体の氷に変化したのが霜(しも)です。

水の三態について、詳しくは以下のテーマをご覧ください。
中学受験の理科 氷/水/水蒸気~状態(固体/液体/気体)の変化

 

フェーン現象と気温・露点・飽和水蒸気量の関係

 

フェーン現象とは、山をこえ下降した空気によってふく「あたたかく、かわいた風」のことです。日本では2~5月に、山をこえた強い南風によって、火災がおこりやすくなります。

上図の場合、風上である A地点の空気が、B地点~C地点を経由して山をこえ、ふもとのD地点に達したとき、「気温の高い、かわいた空気」に変化しているのです。その仕組みを、これから解説していきますね。

 

なお、気温(空気の温度)は、高度が100メートル上がるごとに、
  • 雲のない状態では、1℃ 下がる。
  • 雲のある状態では、0.5℃ 下がる。
と仮定します。ちなみに、この数字を覚える必要はありません。
A地点の気温は 22℃、空気1m3 中に 13.6g の水蒸気がふくまれているとします。
気温と飽和水蒸気量の関係は、はじめに示した表を使いましょう。

 

気温が露点に達して、雲ができはじめる(B地点)

A地点では、空気1m3 中に 13.6g の水蒸気がふくまれています(気温は22℃)。この空気が上がっていくと、気温は下がり、飽和水蒸気量は少なくなっていくわけです。

飽和水蒸気量が13.6g となる気温が露点であり、表から露点は16℃となります。さらに気温が下がると、空気中にふくむことのできない水蒸気は液体の水となる、つまり雲ができ始めることになり、それがB地点です。

 

A地点(気温は22℃)からB地点(気温は16℃)までに、気温は6℃下がっています。雲のない状態では、高度が100メートル上がるごとに気温が1℃下がるのだから、A地点(高度は0メートル)からB地点までの高度差は600メートル(100メートル÷1℃×6℃)ですね。

まとめると、高度600メートル・気温16℃のB地点で雲ができ始めることが分かります。

 

気温の低い、かわいた空気に(山頂のC地点)

B地点から山頂まで高度差がありますから、気温はさらに下がるはずです。B地点と山頂との高度差は2000メートル(2600メートル-600メートル)で、この場合は雲のある状態における気温の下げとなります。

雲のある状態では、高度が100メートル上がるごとに気温が0.5℃下がるのだから、山頂の気温はB地点よりも10℃(0.5℃÷100メートル×2000メートル)低い、つまり山頂の気温は6℃です。

 

なお、山頂(気温は6℃)における飽和水蒸気量は、表から7.3g です。もともとA地点では空気1m3 中に 13.6g の水蒸気をふくんでいましたから、山頂までに空気1m3 あたり6.3g(13.6g-7.3g)の水分を失い、山頂では7.3g となりました。

A地点の空気は、山頂へと達するまでに、「かわいた冷たい空気」に変わったといえますね。

 

気温の高い、かわいた空気に(D地点)

山頂からD地点まで、雲のない状態で高度が下がっていきます。その高度差は2600メートルなので、その間に上がる気温は26℃(1℃÷100メートル×2600メートル)、つまりD地点の気温は32℃(6℃+26℃)です。

空気中にふくまれる水蒸気の量は、山頂からD地点まで変わりません。ただし、気温は上がっていきますから、ふくむことのできる水蒸気量は、高度が下がるにしたがって増していきます。

 

このようにして、風上側のA地点にあった空気(気温:22℃、空気1m3 あたりの水蒸気量:13.6g)は、山をこえて風下側のD地点(気温:32℃、空気1m3 あたりの水蒸気量:7.3g)に達したとき、

  • 気温の高い(22℃→32℃)
  • かわいた(13.6g→7.3g)
空気へと変化しているわけです。

 

以上のような空気の状態変化によって、フェーン現象は発生します。

 

 

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