中学受験の理科 熱の伝わり方(伝導・対流・放射)の基本まとめ

                          

2021/02/12

 

熱は目に見えず、重さも体積もないエネルギーで、熱が移動することによって物質は次のように変化します。

  • 温度が変わる(あたたまる・冷える)。
  • 体積が変わる(ぼうちょう・しゅうしゅく)。
  • 状態(固体・液体・気体)が変わる。

熱エネルギーは、温度の高いものから低いものに移っていくわけですが、今回は「熱の移動によって温度が変わる」という点を中心にして、さらに詳しく見ていくことにします。

 

熱の伝わり方には3種類あるので、それらの違いに注意してください。覚えるというよりは、イメージできることが大切です。結論からいえば、その違いは次のようになります(移動のしかたが異なる)。

  • 伝導は、熱そのものが物の中を移動していく。
  • 対流は、熱が物といっしょに移動していく。
  • 放射は、伝導や対流のように熱を伝えるものは何もなく、直接移動する。

といっても、何のことだかさっぱり分からないでしょうが、以上のことを思い出しながら、読み進めてくださいね。

 

 

本番までに与えられた時間の量は同じなのに、なぜ生徒によって結果が違うのか。それは、時間の使いかたが異なるからです。どうせなら近道で確実に効率よく合格に向かって進んでいきましょう! 詳しくは、以下からどうぞ。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

△上のリンクをクリック△

 

熱の伝わり方【伝導】

熱そのものが物の中を移動していくのが、伝導です。金属は熱を伝導しやすく、空気・木・発砲スチロール・ガラスなどは熱を伝導しにくい物質といえます。発砲スチロールの容器を保温や保冷に使うのは、温度の異なる中と外のあいだで、熱が伝導によって移動するのを防ぐためなのです。

熱エネルギーに重さはありませんから、伝わる速さは上下左右で同じということになります。

 

 

伝わる速さが上下左右で同じですから、棒の全体があたたまるのに、A・B・Cは同じ時間がかかるということになりますね。いっぽう、Dは熱する所から両はしまでの距離が短いので、棒の全体が最も早くあたたまるわけです。

 

 

上図は、熱した部分から、熱エネルギーが棒の中に伝わっていくようすを示しています。くりかえしますが、熱そのものが棒の中を移動していくイメージを確認してください。

図のDについて、さらに詳しく見ていきましょう。

 

 

もちろん、熱が伝わる速さは上下左右で変わりませんから、熱する部分からの距離が短いほど、ろうは早くとけることになります。距離は、A(15cm)、B(5cm)、C(10cm)、D(20cm)なので、ろうがとける順番は、「B → C → A → D」です。

 

次は、銅の板の一部を熱した場合を考えてみましょう。このとき、熱は上下左右へと、同じように伝わっていきます。算数的にいえば、熱した部分を中心にして、同心円状に伝わるということです。

ちなみに、身近な金属では、熱を伝導しやすい順に「銅 > アルミニウム > 鉄」となります(電流を流しやすい順番と同じ)。

 

 

上図のように熱は、熱したところから同心円状に広がるようにして、伝わっていきます。右図を見て分かるように、このとき熱はまだE点に達していません。

A・B・C・D・E点のろうが早くとける順番は、「A → B → C=D → E」となります。

別の形をした、銅の板を考えてみましょう。作図をする必要はありません。熱が同心円状に広がるようすを、確認してください。

 

 

【左の図】
A点を熱した銅の板の中を、同心円状に熱が伝わっていきます(赤線)。

 

【まん中の図】
A点を中心にして同心円状に熱が伝わりながら(赤線)、B点に達した熱はB点を中心にした同心円状に移動していきます(青線)。

 

【右の図】
C点に達した熱は、C点を中心にした同心円状に移動していきます(黄線)。

 

伝導の最後は、校庭の鉄棒を考えてみましょう。

冬の寒い日は、ずっと外にあるのですから、鉄の部分も木の部分(いまは鉄がほとんどですが)も、ともに温度は外気と同じはず。ところが、鉄の部分はずっと冷たいのに、木の部分をさわっていると冷たくなくなり、むしろあたたかかくなりますね。その理由を考えてみます。

 

 

【さわる前】
鉄棒も木も、外気に接していますから、温度は外気と同じです。

 

【さわった時】
鉄棒も木も、さわった部分の温度は、あたたかい指によって上がります。

 

【図の左】
鉄は熱を伝導しやすいので、指の熱がすぐに他の部分に伝導するため、冷たいままです。

 

【図の右】
木は熱を伝導しにくいので、さわっている部分の温度は、すぐに指の温度(体温)と等しくなります。

 

熱の伝わり方【対流】

熱が物といっしょに移動していくのが、対流です。形を変えない固体に対流はなく、液体や気体が流れを起こしながら、流れとともに熱が全体へと移っていきます。

お風呂の湯があたたまったり、エアコンで冷房や暖房をするのは、対流の性質を利用するものです。

対流というのは、熱によって体積が変化(ぼうちょう・しゅうしゅく)し、物質の重さが変わることによって起こります。そもそも、物質の体積が変わると、なぜ重さが変わるのか、確認しておきましょう。

 

 

図の左は、物質のツブ(4ツブ)が、一定の体積を持っている状態を示しています。図の右は、あたためて「ぼうちょう」して、体積が4倍になったものです。

体積が4倍になっても、ツブの数は4つと変わりませんから、もちろん全体の重さは同じ。ところが、図の左と右を、同じ体積で比べると、左の4ツブに対して右は1ツブですから、「ぼうちょう」したほうが軽いということになります。

逆に冷やして「しゅうしゅく」した場合は、右から左の状態に変わるのですから、同じ体積だと重くなりますね。これらの変化が、対流をおこすわけです。

 

 

上図(左)で水の一部分(赤丸の部分)を熱すると、点線部分の水は「ぼうちょう」して軽くなり、上昇します。図で示したように、熱は水とともに移動していますね。

すると、上図(まん中)の黒い点線部分はカラッポになってしまうので、それをうめるような流れがおこります。

上図(右)のように、熱とともに移動した軽い水(湯)は上から順にたまっていきます。そのため、おふろで湯をわかすと上だけがあたたかくなり、よく混ぜてから入る必要があるわけです。

 

 

熱する部分を底の中央にすると、上図(左)のような対流がおこります。また、氷を浮かべると、対流の方向は逆ですね。

上図(右)で示したように、試験管の水をあたためるときは、上部を熱しても水の一部がすぐにわきたつので、底を熱すると水全体は早くあたたまることが分かります。

 

熱の伝わり方【放射】

 

伝導や対流のように熱を伝えるものは何もなく、熱が直接移動する伝わりかたを放射といいます。宇宙空間には空気も何もありませんが、太陽の発する熱は地球に直接とどいているわけです。この場合は、赤外線という目に見えない光で伝わっています。

たとえば、日光・たき火・ストーブなどに向かっていると、放射の性質を感じますね。

  • 直接あたるところはあたたかい。
  • ついたてでさえぎると、あたたかくない。
  • 直接熱のあたらない、背中はあたたかくない。

 

放射熱は白い物に反射しやすい性質をもつため、夏には白っぽい服を着ることが多くなります。逆に黒い物には吸収されやすいので、冬は黒っぽい服を着ることが多くなりますね。

 

 

2020年10月エール出版社から、全国の書店で参考書を発売開始! 出版記念キャンペーンとして、教材「理科の核心」を半額で販売させていただきます。詳しくは以下の記事を、ご覧ください。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

△上のリンクをクリック△

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク