中学受験の理科 電流と電気回路~この順番で学ぶと基本は完ペキ!

 

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2023/05/07

 

上図は、水路(水の通り道)です。ホースの中には、水がつまっています。

ポンプからホースに対して水を流しこむと、ホースの中の水は、ポンプから出た水におされて動くわけですそして、ポンプのX点から出た水は、A・B・C点を通って、やがてポンプのY点にもどってきます。

 

水の通り道は1本道だから、水の行き先はホースの中しかありません。1秒ごとにポンプから出る水の量を「1」とすれば、A点・B点・C点でも、1秒ごとに「1」の水が通りすぎていくはずです。

ある瞬間にA点にあった水は、やがてB点を通り、C点を通って、ポンプにもどります。

 

ホースの中ではどの点でも、常に新たな水が通り過ぎていくのです。  

 

 

本番までに与えられた時間の量は同じなのに、なぜ生徒によって結果が違うのか。それは、時間の使いかたが異なるからです。どうせなら近道で確実に効率よく合格に向かって進んでいきましょう! くわしくは、以下からどうぞ。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

 

 

 

電流と電気回路で水の流れをおきかえてみましょう!

 

電気回路(電気の通り道)も、水路と同じです。導線(金属)の中には、もともと「電気のつぶ」がつまっています。

何もしなければ、「電気のつぶ」は導線(金属)の中で、じっとしているだけです。

 

ポンプが水をおし出すのと同じように、かん電池には「電気のつぶ」を電気回路におし出す力があると考えてください。

かん電池が「新たな電気のつぶ」をおし出すと、もともと導線(金属)の中にあった「電気のつぶ」が、おされて動き始めます。「ところてん」みたいな感じでしょうか。

 

やがて、「電気のつぶ」は、かん電池にもどってきます。

水はポンプにもどっても水のままですが、「電気のつぶ」はかん電池にもどると電気ではなくなるので、かん電池には寿命があるわけです。

 

水路の途中に水車があれば、水の流れをじゃましながら、水車はまわって仕事をします。

電気回路の途中に豆電球があれば、「電気のつぶ」の流れをじゃましながら、豆電球は光って仕事します。電流が流れにくいフィラメントの中を、むりやり「電気のつぶ」が通るからです。

 

電流とは、「電気のつぶ」が電気回路の中を流れることです。かん電池には、電流をおこす力があります。

電気回路とは電流の通り道、電流をじゃましながら光っているのが豆電球。かん電池は「電流を電気回路におこす力」豆電球は「電流のじゃまもの」と考えてください。

 

電流を電気回路におこす力 = かん電池

 

 

「電気回路に電流をおこす力」は、変えることができます。

「かん電池」のつなぎ方によって、力が強くなったり、変わらなかったり。力が弱くなることは、ありません。

 

図の左2つは、かん電池の直列つなぎです。前の人の背中を後ろからおせば、力が2倍になるのと同じで、かん電池を直列につなぐと、電流をおこす力も2倍・3倍と強くなります。

図のまん中と右の2つは、かん電池の並列つなぎ。横に並んでおしても、力は変わりません。

 

私たちは、単1・単2・単3・単4など、さまざまな電池があることを知っています。でも、よく見ると、すべての電池に「1.5V(ボルト)」と書かれていますね。

ボルトとは、電流をおこす力の単位です。かん電池の大きさが違うのに、力は変わらないのです。

 

大きさが違うのは、中に入っている薬品の量が異なるからで、大きい電池ほど薬品が多く、長持ちします。

かん電池の並列つなぎは、大きくなった電池と考えてください。

 

電流の大きさと電気回路【かん電池の直列つなぎ】

 

図1は豆電球が1つ、かん電池が1つで、その時の電流を「1」とします。

このかん電池には、「電流のじゃまもの」が1つの時に、「毎秒1つぶ」の「電気のつぶ」を、電気回路におし出す力があると考えてください。

 

電気回路の中はどの場所も、「電気のつぶ」が常に「毎秒1つぶ」通過しています。電気回路の中にある、豆電球の電流も、「1」です。

これから先は、図1の電流に比べてどうなるかを、比べながら考えていきます。

 

図2は、「電気回路に電流をおこす力」が2倍になって、「電流のじゃまもの」の数は変わらないので、電流は「2」です。

電気回路の中はどの場所も、「電気のつぶ」が常に「毎秒2つぶ」通過しています。同じように考えると、図3の電流は「3」です。

 

図1から図3までの、かん電池の電流はどうでしょうか。

図1では、かん電池Aから毎秒1つぶの「電気のつぶ」がおし出され、「毎秒1つぶ」もどってきます。つまり、かん電池の電流は「1」です。

 

図2では、かん電池Bから「毎秒2つぶ」の「電気のつぶ」がおし出され、かん電池Cに「毎秒2つぶ」もどってきます。

また、かん電池Cから「毎秒2つぶ」おし出された「電気のつぶ」は、かん電池Bへ。かん電池B・Cはともに、電流が「2」となります。

同じように、かん電池D・E・Fはともに、電流が「3」です。

 

1本道の電気回路の中では、すべての場所を、同じ量の「電気のつぶ」が流れ続けています。

電気回路が全て直列であれば、1本道なので、話はとても簡単なのですが。

 

電流の大きさと電気回路【豆電球の直列つなぎ】

 

 

図4の「電気回路に電流をおこす力」は変わらず、「電流のじゃまもの」の数は2倍なので、豆電球の電流はそれぞれ「2分の1」となります。

電流が「2分の1」とは、「2秒に1つぶ」通りすぎると考えれば良いでしょう。図5では、豆電球の電流は、それぞれ「3分の1」です。

 

では、図4の「かん電池」の電流は?

「2分の1」です、まちがえないで下さい。多くの生徒は、「豆電球(電流が2分の1)」が2つあるから、足して「1」と答えるのです。

 

一本道の電気回路です。かん電池から「電気のつぶ」が「2分の1」おし出されるから、電気回路には「2分の1」の電流が流れ続けます。

そして、1つめの豆電球にも、2つめの豆電球にも、常に「2分の1」の電流が通り過ぎていくということです。

 

電流の大きさと電気回路【豆電球の直列つなぎ】【かん電池の直列つなぎ】

 

「電流のじゃまもの」の数は2倍ですが、「電気回路に電流をおこす力」も2倍なので、豆電球の電流はそれぞれ「1」です。

2つの電池はそれぞれ、常に「1」の電流を流し続けています。

 

ここまでの説明で気がついたかもしれませんが、電気回路ではまず、豆電球の電流から考えます。すべての豆電球が終わってから、かん電池を最後に考えるのです。

豆電球は電流が大きいほど明るく(小さいほど暗く)、かん電池は電流が大きいほど寿命が短い(小さいほど長い)ということは、常識的に考えても分かりやすいでしょう。

 

まず全ての豆電球の電流を考える。最後に、かん電池の電流を考える。」という順番は、絶対に守ってください。

 

本番までの限られた時間を、もっと効率よく使いましょう! 以下の記事を、ご覧ください。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

 

電流の大きさと電気回路【豆電球のへい列つなぎ】

 

 

電流はプラス極を出発して、ひたすらマイナス極めざして進み、マイナス極にもどります。決して、途中でプラス極の方向にもどることはありません。

電気回路を確認するときは、プラスからマイナスに向けて、指でなぞりましょう。プラスからマイナスに向かう、「ひと筆がき」です。

 

上図では、2つの豆電球を、1度の「ひと筆がき」でなぞる事はできません。2つともなぞろうとしたら、1度プラスの方向にもどる必要があるからです。それはルール違反です。

プラスからマイナスにたどりつくまでの道が、電気回路。上図では道が2つ、つまり2つの電気回路が存在しています。

 

 

上の4つは、すべて同じもの。

つまり、どれも図1(電池が1つ、豆電球が1つの電気回路)が、同時に2つ(赤色と緑色)存在している状態です。

 

赤色と緑色は、おたがいに関係なく、独立して存在しています。

いっぽうの豆電球が切れたとしても、もういっぽうの明るさは、まったく変わりません。おたがいに、関係ありませんから。

 

 

おたがいに関係ないので、Aを考える時はBを見ません。と言っても見えてしまうので、手でかくしてください。

すると、図1と同じ電気回路が見えます。「電気回路に電流をおこす力」も「電流のじゃまものの数」も図1と同じなので、Aの電流は「1」です。

Bを考える時はAをかくすと、図1と同じなので、Bの電流も「1」です。

 

これで豆電球の電流がすべて分かったので、最後にかん電池の電流を考えます。

 

 

「赤色の電気回路」と「緑色の電気回路」が同時に存在していて、それぞれの電気回路の中を電流が「1」流れている状態です。

そして、2つの電気回路が電池に接続していますから、かん電池の電流は「2」ということになります。

 

かん電池は、赤色の電気回路に「1」流しながら「1」もどり、同時に、緑色の電気回路にも「1」流しながら「1」もどっています。

全体で見ると、2つの電気回路に対して、常に合計で「2」流しながら「2」もどる状態。かん電池の電流は「2」ですから、寿命は短いです。  

 

本番までの限られた時間を、もっと効率よく使いましょう! 以下の記事を、ご覧ください。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

 

電流の大きさと電気回路【かん電池のへい列つなぎ】

 

 

並列つなぎのかん電池は、大きなかん電池と同じで、「電流をおこす力」はかわりませんでした。

上図では、「電気回路に電流をおこす力」も「電流のじゃまものの数」も変わらないので、豆電球の電流は「1」。大きなかん電池の電流も「1」です。

 

大きなかん電池の中を見ると、右図のようになっています。「1」の電流が半分ずつに分かれて、各かん電池の電流は「0.5」。豆電球に送る電流を、半分ずつ分担しているのです。

かん電池の電流が半分なので、かん電池の寿命は長くなります。

 

電流の大きさと電気回路【豆電球のへい列つなぎ】【かん電池の直列つなぎ】

 

 

直列つなぎのかん電池は、「電気回路に電流をおこす力」が大きくなります。上図の場合、「電気回路に電流をおこす力」は2倍です。

この電気回路は、おたがいに関係のない2つの電気回路(赤色と緑色)が、同時に存在しています。赤色を考える時は緑色をかくし、緑色を考える時は赤色をかくしてください。

 

それぞれの電気回路は、「電気回路に電流をおこす力」が2倍で、「電流のじゃまものの数」は変わりません。各豆電球の電流は「2」となります。

電池は赤色の電気回路に「2」、緑色の電気回路に「2」の電流を、流し続けています。つまり、かん電池の電流は、2つとも「4」です。

 

電流の大きさと電気回路【豆電球の直列つなぎ】【かん電池のへい列つなぎ】

 

大きなかん電池の、「電気回路に電流をおこす力」は変わらず、「電流のじゃまものの数」が2倍。豆電球の電流は、それぞれ「0.5」です。

かん電池の電流は、それぞれ「0.25」(4秒に1つぶ)づつとなります。

 

電流の大きさと電気回路【豆電球のへい列つなぎ】【かん電池のへい列つなぎ】

 

 

大きなかん電池の、「電気回路に電流をおこす力」は変わりません。 おたがいに関係のない2つの電気回路(赤色と緑色)が、同時に存在しています。赤色を考える時は緑色をかくし、緑色を考える時は赤色をかくしてください。

それぞれの電気回路は、「電気回路に電流をおこす力」も「電流のじゃまものの数」も、変わりません。各豆電球の電流は、「1」です。

 

大きなかん電池には、緑色(電流「1」)と赤色(電流「1」)がつながっていますから、流れる電流は常に「2」。

大きなかん電池の中を見ると、各かん電池が電流を「1」づつ分担しています。

 

電流の大きさと電気回路【直列とへい列の組み合わせ】

 

 

「電気回路に電流をおこす力」は、2倍です。

赤色の電気回路は、「電流のじゃまものの数」も2倍なので、豆電球の電流はそれぞれ「1」。

緑色の電気回路は、「電流のじゃまものの数」が変わらないので、豆電球の電流は「2」となります。

 

かん電池には、赤色と緑色がつながっているので、電流は2つとも「3」が流れていることになりますね。

 

 

仕上げとして、問題演習に取りくんでみましょう。

【問題演習:スイッチのある電気回路1】
中学受験の理科 電流と電気回路~スイッチ回路の問題演習と解説【1】

【問題演習:スイッチのある電気回路2】
中学受験の理科 電流と電気回路~スイッチ回路の問題演習と解説【2】

 

 

次のテーマは、「直列と並列の組み合わせ」です。以下の記事を、ご覧ください。
中学受験の理科 電流と電気回路~豆電球の直列と並列の組み合わせ

 

 

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くわしくは、以下の記事をご覧ください。
中学受験 理科 偏差値アップの勉強法

 

 

 

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