中学受験の理科 水溶液の性質についての問題演習と解説【3】
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2021/05/28
この演習問題は、かならず「水溶液の基本(⇒ 中学受験の理科 水溶液の覚え方~これだけで受験対策は完ペキ!)」の学習を終えてから取りくんでください。
【問題】
水溶液の入った試験管①~⑧には、次のどれかが入っています。
- 塩酸
- ホウ酸水溶液
- 食塩水
- 砂糖水
- 炭酸水
- アンモニア水
- 水酸化ナトリウム水溶液
- 石灰水
①~⑧の水溶液を調べるために実験をおこない、次のような結果となりました。
【実験1】
各試験管をふり混ぜると、⑤だけ細かなあわが発生した。
【実験2】
においをかぐと、③と⑦だけ刺激的なにおいがした。
【実験3】
リトマス試験紙につけると、次のような結果を得た。
- ④と⑥は、変化しなかった。
- ①と③と⑧は、赤色リトマス紙が青色になった。
- ②と⑤と⑦は、青色リトマス紙が赤くなった。
【実験4】
①の液と混ぜると、⑤だけ白くにごり、他は変化がなかった。
【実験5】
蒸発皿に入れて加熱すると、次のような結果を得た。
- ③と⑤と⑦は、何も残らなかった。
- ①と②と⑥と⑧は、白い固体が残った。
- ④は、あたため続けると黒くなった。
【実験6】
③と⑦を混ぜ、蒸発皿に入れて加熱すると、白い固体が残った。
①~⑧の液体は、それぞれ何でしょうか?
解答と解説
【解答】
① 石灰水
② ホウ酸水溶液
③ アンモニア水
④ 砂糖水
⑤ 炭酸水
⑥ 食塩水
⑦ 塩酸
⑧ 水酸化ナトリウム水溶液
【解説】
水溶液の性質によって試験管の中身を決定する問題は、次の手順で行います。
- 実験結果を整理して、表にまとめる。
- 試験管ごとに実験結果を一覧して、何の水溶液か決定する。
【実験1】
ふり混ぜて細かなあわが発生するのは、炭酸水だけ。よって、⑤は炭酸水です。
【実験2】
におい: ① なし ② なし ③ あり ④ なし ⑤ なし ⑥ なし ⑦ あり ⑧ なし
【実験3】
リトマス試験紙につけた結果は、次のとおりです。
- ④と⑥は変化しないので、中性。
- ①と③と⑧は、赤色リトマス紙が青色になったので、アルカリ性。
- ②と⑤と⑦は、青色リトマス紙が赤くなったので、酸性。
【実験4】
①と混ぜて、⑤だけが白くにごりました。実験1から⑤は炭酸水ですから、①は石灰水であることが分かります。
【実験5】
加熱:① 白い固体 ② 白い固体 ③ 何も残らない ④ 黒くこげる ⑤ 何も残らない ⑥ 白い固体 ⑦ 何も残らない ⑧ 白い固体
【実験6】
③と⑦を混ぜ、蒸発皿に入れて加熱すると、白い固体が残った。
以上の実験結果を表にまとめると、下図のようになります。
次に、試験管ごとに実験結果を一覧して、何の水溶液かを考えていきましょう。なお、実験1から実験5までで、すべての水溶液が決定してしまいます。
【試験管①】
においがなくアルカリ性で、加熱すると白い固体が残るのは、「石灰水」か「水酸化ナトリウム水溶液」です。実験4では、酸性の水溶液⑤と混ぜて白くにごりますから、①は「石灰水」で、⑤が「炭酸水」であると分かります。
【試験管②】
においがなく酸性で、加熱して白い固体が残るのは「ホウ酸水溶液」です。
【試験管③】
においがありアルカリ性で、加熱して何も残らないのは「アンモニア水」です。
【試験管④】
においがなく中性で、加熱して黒くこげるのは「砂糖水」です。
【試験管⑤】
ふり混ぜて細かなあわが発生するのは、「炭酸水」です。においがなく酸性で、加熱して何も残らず、①(石灰水)と混ぜれば白くにごります。
【試験管⑥】
においがなく中性で、加熱して白い固体が残るのは「食塩水」です。
【試験管⑦】
においがあり酸性で、加熱して何も残らないのは「塩酸」です。
【試験管⑧】
においがなくアルカリ性で、加熱して白い固体が残るのは「水酸化ナトリウム水溶液」です。
完全に答えることができなかった場合は、水溶液の基本にもどりましょう。
⇒ 中学受験の理科 水溶液の覚え方~これだけで受験対策は完ペキ!
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