中学受験の理科 ろうそくの燃焼~この理解で受験対策は完ペキ!

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中学受験の理科【偏差値アップの勉強法】合格のカギは4つだけ!

                          

2017/06/14

00 ろうそく(jpeg) 「ろうそく」に火をつけると、ほんの小さな炎が「しん」の先にともります。すぐに大きな炎となって、その後は燃え続けます。この間わずか1分ほどの間に何がおこっているのか、これから解説していこうと思います。

「ろうそくの燃焼」を理解するために、私たちは化学に共通する2つの常識を知っておく必要があります。本題にはいる前に長くなってしまいますが、おつきあいください。

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【化学の常識1】物質は、部品でできている。

ここに1枚の紙があります。まず半分に切ります。さらに半分半分と切っていくと、やがて目に見えないほど小さくなります。小さくても、紙であることに変わりはありません。

この小さな紙を、さらに半分ずつ永久に切り続けることができるのでしょうか? 算数で分数を習っていて、分母がどんなに大きくてもゼロにならない事を知っていますから、「できる」と答える人もいます。

でも正解は「できない」です。これを理解するために、さらに深い「化学の世界」に進んでいきましょう。

例えば、ここに時計があります。時計は、短針・長針・文字盤・歯車などの部品からできています。分解してしまえば、そこにあるのは部品であって、時計ではありません。

紙を半分ずつに切っていきます。やがて、もっとも小さな紙の粒にたどりつきます。この粒を、紙の「分子」といいます。

紙の分子を分解すると、部品の集まりとなります。部品であって、もはや紙ではありません。それぞれの部品を「原子」といいます。世の中の物質はすべて、「原子」という部品が組み合わさってできています。

下の表は、「原子と周期表」の一部です(原子は全部で118種類あります)。周期表とは世の中の物質の元となる部品(原子)を、重さが軽い順に並べたものです。

覚える必要は全くありませんが、すこしだけ見てみましょう。部品には、必ず記号と名前がついています。

周期表(GIF)

例えば左上の1番目に「H」という記号の部品(原子)があり、名前は「水素」といいます。気体の水素ではなくて、「水素」という名前の部品です。

もっとも小さな「気体の水素の粒(分子)」は、「H(水素)」が2個組み合わさってできるので「H2」です。 「H(水素)」は最も軽い部品で、気体の水素は宇宙で最も軽い気体です。

昔は飛行船の気球の中に、気体の水素を入れていました。最も軽い気体で、浮くのに便利だからです。ところが1937年にドイツのヒンデンブルク号という気球が大爆発事故をおこしてからは、次に軽い気体であるヘリウムに変わりました。

右上にある「He(ヘリウム)」が2個組み合わさって、気体のヘリウム「He2」となります。気体のヘリウムは宇宙で2番目に軽く、しかも燃えないため、いまでは風船やさまざまな気球に利用されています。気体のヘリウムを吸うと、ドナルドダックみたいな声になることでも有名です。

6番目に「C」という記号の部品(原子)があり、名前は「炭素」といいます。「すす」も「鉛筆のしん」も「炭(すみ)」も、「C(炭素)」という1つの部品だけが集まったものです。違いは、集まった部品の数だけです。

8番目に「O」という記号の部品(原子)があり、名前は「酸素」といいます。最も小さな気体の酸素の粒は「O2です。

「エイチ・ツー・オー」と「シー・オー・ツー」とは?

ものが酸素と結びつく事を、燃焼といいます。酸素と化合するするので、「酸化」ともいいます。

部品の「H(水素)」2個が、1個の「O(酸素)」と結びつくと、「H2O(エイチ・ツー・オー)」となります水素自動車は水素を積んで、周りの空気中の酸素を使って燃焼させて、そのエネルギーで走ります。廃棄ガスとして出てくるのは、水だけです。

部品の「C(炭素)」1個が、2個の「O(酸素)」と結びつくと、「CO2(シー・オー・ツー)」となります。2個の酸素と結びついた(酸化した)炭素だから、2酸化炭素といいます。

炭火を使う時は、一酸化炭素中毒に注意してください。窓をしめきって酸素がたりない状態だと、完全燃焼できず不完全燃焼となります。その時に部品の「C(炭素)」は1個の「O(酸素)」と結びついて、毒性の強い「CO(一酸化炭素)」となってしまうのです。部屋の中で燃焼する時は、換気に注意しましょう。

ろうそくの部品

本題の「ろうそく」で大事な事として、「ろう」は「C(炭素)」と「H(水素)」と「O(酸素)」という3種類の部品からできている事を覚えておいてください。それぞれの部品の数は、「ろう」の種類によって違います。

【化学の常識2】物質を熱し続けると、部品に分解する。

固体を熱すると液体に、液体を熱すると気体になります。気体をさらに熱すると、どうなるのでしょうか。

最も小さな粒である気体の分子は、熱し続けると分子の状態ではいられなくなってしまいます。つまり、部品(原子)に分解してしまいます。これを「熱分解」といいます。

気体の「ろう」をさらに熱すると、もはや「ろう」ではいられなくなって、部品の「C(炭素)」と「H(水素)」と「O(酸素)」に分解してしまいます。

そして「C(炭素)」と「H(水素)」は、燃焼して酸素と結びつきます(酸化)「O(酸素)」は燃焼しません助燃性のみ:物が燃えるのを助けるはたらき)。

「C(炭素)」は燃焼(酸化)して、「CO2(二酸化炭素)」になります。「H(水素)」は燃焼(酸化)して、「H2O(水)」になります。結局「ろう」は部品の炭素・水素・酸素に分解して、部品が燃焼して二酸化炭素と水(水じょう気)になり、あとには何も残らないのです。

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これで準備が整いました。

本題にもどります。わずか1分ほどの間におこる事を、5つに分けて解説していきます。

02 燃焼の段階(GIF)

ろうそくの「しん」に火をつける(図1)

「しん」に火をつけます。「しん」だけが燃えてポッと小さな炎がつきます。

ろうそくは、炎であたためられて(図2)

「しん」の周りは炎であたためられて、「固体のろう」が溶けて「液体のろう」になります。「しん」の周りは、液体になっている事が分かります。

ろうそくは、液体となって(図3)

「液体のろう」が、「しん」を伝わって上がっていきます。 バケツに水を入れてゾウキンを半分つけておくと、やがてゾウキンの中に水がしみこんでいって、外に水がポタポタとたれていきます。ゾウキン(布)は繊維でできていて、多くの細いすきまがあります。液体の水には「毛細管現象」といって、細いすきまの中を進んでいく性質があるのです。ろうそくの「しん」でも、これと同じ現象がおこります。

ろうそくは、気体となって(図4)

「液体のろう」が「しん」を伝わって上がった先に炎があるわけですから、「液体のろう」はあたためられて「気体のろう」に変わります。この「気体のろう」の部分が、「えん心」です。えん心に細いガラス管を入れると、白いけむりがでてきます。

ケムリは目に見えるので気体ではありません。ガラス管からでてきた「気体のろう」が、まわりの空気に冷やされて、小さな「液体のろう」の粒になったのです。このケムリにマッチの炎を近づけると、すぐに「気体のろう」になって、炎を出して燃えます。

ろうそくは、さらにあたためられて(図5)

「気体のろう」は、炎でさらに熱されます。ついに「ろう」ではいられなくなり、部品の「C(炭素)」と「H(水素)」と「O(酸素)」に熱分解されます。

熱分解によって部品の状態になった所が、「内えん」です。 炭素の集まりが、「すす」です。「すす」は炭と同じように、炎をあげずにポッと明るくかがやきます。

「内えん」にガラス管を入れると、黒いケムリ(すす)が出てきます。これは「すす」ですから、マッチの炎を近づけると炭と同じように炎をあげずにポッと明るく輝きます。

「外えん」には新しい酸素が与えられ続けるので、完全燃焼します。

部品の「C(炭素)」「H(水素)」「O(酸素)」のうち、燃焼するのは「C(炭素)」と「H(水素)」です(酸素は助燃性のみ)。「C(炭素)」は燃焼(酸化)して「CO2(二酸化炭素)」に、「H(水素)」は「H2O(水・水じょう気)」になります。

以上が、「ろうそく」に火をつけてから1分間ほどの間におこる化学的な現象です。

アルコールランプの「すす」が少ない理由

ガスやアルコールも、部品は「C(炭素)」と「H(水素)」と「O(酸素)」です。それぞれ、「ろう」と比べて部品の数の組み合わせが異なります。

ガスバーナーやアルコールランプは「ろう」に比べて「すす」が少ないのですが、これはガスやアルコールの部品には「C(炭素)」が少ないからです。

「ろうそく」が燃焼し続ける理由は?

「ろうそく」はなぜ燃焼し続けるのでしょう。燃焼を続けるために、「外えん」には常に新しい酸素が供給されなければなりません。

その答えは、炎のようすを観察すれば分かります。ろうそくは、縦にしても横にしても、炎が上を向いています。なぜでしょう。

こたえは「上昇気流」です。ろうそくのまわりの空気は炎であたためられ、ぼうちょうして軽くなり上にあがります。すると下から新しい空気がやってくるので、常に新鮮な酸素が供給され続けるのです。下から上にむかう空気の通り道さえ確保されていれば、燃え続けることができます。

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